福岡市中央区天神を東西に貫く昭和通りを東進すると、那珂川に架かる西中島橋に至る。橋の袂には赤レンガの建物が建っている。旧日本生命株式会社九州支店だ。
博多湾を見つめるように構えた姿は、近代的ビルディング群の中にあって、かえって存在感を増している。辰野金吾・片岡安事務所によって設計され、1909年に竣工した。長い年月が経過しているが、赤レンガに経年を感じることは出来ない。
現在は、福岡市文学館として公開され、無料で入館できる。
玄関の扉は鉄で、内扉は木製である。年月が刻まれたドアノブを回すと玄関ホールで、左手にはアーチを描く窓口があり、その先の部屋には図書などが並べられている。
奥に進むと福岡市文学館の受付と階段ホールである。壁に沿う階段を上がると、2階には小ぶりの会議室が2室と広い会議室が配置されている。
1階にある手洗いへの案内に従い進むと、独立した赤煉瓦の建物がある。赤レンガは経年の痛みが見て取れる。
西側には赤レンガの壁が建つ。隣接する水鏡神社の参道に面しており、手洗い棟と同様にレンガからは経年の痛みが見て取れる。重要文化財の表示板は錆び、一部には補修の形跡がある。
地階もあるようだが、見学はできなかった。
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旧日本生命株式会社九州支店
福岡県福岡市中央区天神1-15-30
国指定重要文化財
現:福岡市文学館 092(722)4666
竣工:1909
設計者:辰野金吾・片岡安事務所
見学無料
撮影:2014/9/28