大川鉄道蒸気機関車(ぽっぽ汽車)

稲穂を揺らす田園と点在する家並が尽きることなく続く県道710号を塚崎交差点で東へ折れ、県道701号を僅かに進むと右手に見える。三潴小学校バス停の側だ。




2本のレールに乗った蒸気機関車はとても小さいが、軌間は1067mmだからJRなどと同一だ。特に意識しないで眺めれば、おもちゃのように見えるかもしれない。見る者を威圧しないのだ。

運転席の扉を開けると、石炭を投げ入れる円形の口がある。車輪の周りを観察すると、力強さを感じる。ほとんど坂のない平坦な地形ゆえ、このスケールでも十分走ることが可能だったのかもしれない。客車2両などを連結し時速20kmで走っていたという。蒸気機関車は1911年ドイツ製だった。





大川線は1910年12月に大川軽便鉄道として誕生した。家具のまち大川と西鉄大牟田線の大善寺駅をつなぎ、物と人の輸送に貢献したようだ。しかし、1951年9月の休止でその姿を見ることはなくなり、1966年5月廃線となった。
蒸気機関車を展示している場所には、陶板に大川鉄道の歴史などが記されている。西鉄から三潴町に寄贈され、ここに展示されるに至ったようだ。




展示場所側の歩道にはベージュのブロックが敷き詰められている。そこには線路がデザインされている。舗道を地図でたどると、大川線の名残を感じることができる。


大川鉄道蒸気機関車(ぽっぽ汽車)
福岡県久留米市三潴町高三潴
4輪連結タンク機関車NO5 ドイツ・ベルリン アーサーコッペル社製(掲示による)
製造:1911/1(掲示による)
見学無料
撮影:2014/9/23