長崎港の入口、西方向に緑を蓄えた場所がある。賑わいはなく、揺れる波が護岸に、砂浜に、岩場に寄せるだけの風景が流れている。
バス停がある。その場所から高台を見上げると、純白の建物がある。神ノ島教会だ。湾曲する階段をゆっくり上り詰めると、青空に溶けるような白色が心を惹き付ける。
天主堂入口の上部にはドーム上の屋根が乗り、十字架を支える。ドームの基礎は凹凸をつけデザインされた四角形で、縦長の窓が設けられている。
壁には円形の窓が複数設けられ、デザインされたフレームがガラスを守る。入口のドーム上部には十字架が刻まれた石がアクセントを付け、信者を迎えているように見える。
台風や高波、潮風にさらされる場所でありながら、長い年月を耐えて今日に至る天主堂、青空に恵まれたこの日、濁りのない純白がなお一層目に眩しく映った。
地名から想像すると、この場所は島だったのかもしれない。
埋め立てによって誕生した場所に企業団地が造られ、陸続きとなったのだろう。
□
神ノ島天主堂
長崎県長崎市神ノ島2丁目148
長崎観光連盟HP
竣工:1897
マナー厳守のうえ外観のみ見学可能
撮影:2014/11/18