民間企業の敷地内に存在するため一般公開されていないが、眺望スペースから眺めることができる。
JRスペースワールド駅から案内表示に従いスペースワールド入場口方向へ進み、地下歩道を抜けると左手で案内人が迎えてくれる。世界遺産に選ばれた施設を説明するパネルの前を進んでいくと専用線路の先に赤煉瓦の建物が見えてくる。
遠目に見る建物はイメージする製鉄所の建物群に似合わないほど美しい。パネルの説明によれば左右対称形の建物で、長官室、技監室、外国人顧問技師室などが置かれていたそうだ。現在は使用されていないらしい。設計者は不明だが、熊本大学を設計した山口半六ではないかとの説もあるらしい。
眺望スペースが設けられたのは2015年4月で、世界遺産登録への機運が盛り上がっていた頃だ。ゴールデンウィークの只中なれど人影は少ない。眺めているとボランティアの方が説明をしてくださる。眺望という名のとおり、本事務所など敷地内の風景を遠く眺めることになる。
カメラでの撮影は個人使用のみ可能で、三脚を据えての撮影や望遠レンズなど大きな機材での撮影は禁止されている。
見える範囲では本事務所の外に専用鉄道線が目を引く。軌道車らしき姿もある。
眺望エリアの一角に掲げられたパネルに本事務所を間近に見学する人々の写真があった。一般見学者のようで皆ヘルメットを着用している。一般公開されていない施設だが、JTB北九州を通じ事前に申し込めば間近に見学することが可能だ。指定土曜日に限定され、大人一人2300円が必要となる。
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官営八幡製鐵所 旧本事務所
北九州市八幡東区枝光
北九州市企画調整局世界遺産課 093(582)2922 HP
世界遺産構成資産
竣工:1899年
設計者:不詳
見学無料
9:00~17:00
休:月曜日・年末年始
撮影:2016/5/4