佐賀県有田町。陶器市の開催場所となる街並みから徒歩数分の場所に神社がある。境内に至る階段を上り終えるとJR九州の線路が横たわる。
左右を確認し渡ると参道は急な階段へ続く。左へ折れながら階段を慎重に上っていくと乳白色の青磁で覆われた鳥居が迎える。
2020年3月に修復を終えた鳥居はクスミや汚れが除かれ、美しい印象を与える。地元新聞社(佐賀新聞社)のネットニュースによると、2019年11月から修復作業が始まり、2020年3月に完成した。
修復の目的は、落下した破片の復元、落下の危険がある部分の接着、汚れの除去、修理履歴の調査などである。
特筆されるのは鳥居の柱の内部が赤土を固めたものであったこと。モルタルかコンクリートを詰めて強度を確保していると思われていたらしい。
奉納されたのは明治11年(1888年)、当時の技術力に驚く。3月中旬、桜がほころび始めていた。鳥居の側からは穏やかな時間につつまれる有田の町並みが続いていた。
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陶山神社鳥居
佐賀県西松浦郡有田町大樽2丁目
0955(42)3310 HP
国指定登録有形文化財
竣工:1888/10
製造人:岩尾久吉
見学無料
撮影:2021/3/17