泉山磁石場

佐賀県有田町の東部、武雄市山内町と接する辺りを泉山という。黒い岩と緑の山々が風景をつくる中、硫黄山のような表情を見せる一角がある。


磁石場だ。磁器の原料となる陶石を採取した場所である。1980年、国の史跡に指定された。現在は有田焼の原料としてはほとんど用いられていないらしい。

泉山磁石場は、1616年(江戸時代初期)に有田町へやってきた李参平こと初代金ヶ江三兵衛によって発見されたとされる。李参平は豊臣秀吉によって朝鮮から連れてこられた陶工らのひとりであった。


磁石場内へ立ち入ることはできないが、磁石場を一望できるポイントは小規模公園として整備され駐車場も用意されている。鎖の手前に立つと磁石場の広さを感じる。右手奥には横穴を二つ観ることができる。陶石を掘り進んだ跡だ。


グーグルマップで計測すると、掘られた面積は1万㎡を超えているようだ。すべて手掘りというから、途方もない年月と労働力が注がれたのだろう。


この陶石をもって生まれた磁器は世界を魅了したという。


泉山磁石場
佐賀県西松浦郡有田町泉山1丁目
0955(43)2678(有田町歴史民俗資料館) HP
国史跡
見学無料
駐車場あり(無料)
撮影:2021/3/17