沈堕の滝・沈堕発電所

国道502号から旧清川村と旧大野町をつなぐ県道26号に折れ、少しばかり進むと、大野川に架かる橋を渡る。
橋の袂から見えるのが、川幅いっぱいにしぶきを上げる沈堕ダム・雄滝だ。岸辺に目をやると、廃墟となった建物にも気付く。手前に見える小さな滝は平井川から落ちるもので雌滝と呼ばれている。
整備された散策路を進むと、雄滝の近くまで行くことができる。豪快に水が落ちる様は見ごたえがある。この情景の誕生には経緯があるようだ。




廃墟の建物は沈堕発電所跡で、路面電車に電気を送るために豊後電気鉄道株式会社によって建設されたとのことだ。石で組まれた建物は、壁だけが残っている。蔦などが壁を覆い、草木の繁茂で原型をはっきりうかがうことは出来ない。





散策の小道を挟んで、流れ込む水の入口であった遺構も見ることが出来る。建物の足元は悪いが、立ち入り禁止のバリケードなどはない。立ち入る場合は、自己責任で。
説明板には稼動していたと思われる当時の写真が掲載されている。




現在の沈堕滝の情景は人工的に作られたものらしい。



滝の崩落を防ぐための水流が止められていたが、雪舟により描かれた「鎮田瀑図」の風景を再現するため、修景工事が施工されたとのことだ。


沈堕の滝・沈堕発電所
大分県豊後大野市大野町矢田
情報:豊後大野市観光協会HP
発電所の竣工:1909/4/16
見学無料
発電所の状況:廃墟
撮影:2014/9/13