音無井路円形分水

標高500m級の山地が連なる竹田市百木。小さな案内板に従い、棚状の水田が点在する間を縫う道を進む。
三叉路に一時停止すると右手先にトンネル、その側に分水施設がある。駐車場が設けれているほか、東屋、説明板が設置されている。




水路の側を歩いて行くと、円形分水は豊かに水をたたえていた。円形分水は2重の円に仕切られた構造で、導かれた水が内側の円の中心から湧き出している。
水は長方形に開けられた穴から外側の円に送り出される。外円は3つに仕切られ、それぞれの水路へ流れ去って行く。




説明板によれば、3つの幹線水路に導入される水の配分で水争いが繰り返されたとあり、円形分水により適正な分配ができるようになったそうだ。
米作農家にとって水は生命線、現代においてもありうることを豊後の先人は見事に解決した。



水田にはうなだれはじめた穂先を揺らす稲、静かに刈り取りの時を待っているようだ。


音無井路円形分水
大分県竹田市大字九重野百木
竣工:1934(掲示および九州農政局HPによる)
見学無料
農業用水利
現在も稼働中
撮影:2014/9/13