長崎の観光が凝縮された大浦海岸通り。昔から海外との交易が盛んであった長崎ならではの風情が残る。東山手町、南山手町には古い洋館が建ち並ぶ。
南山手町にはグラバー園がある。入場料は必要だが、明治期の洋館に触れ合うことができる。
園の名でもある旧グラバー住宅は国指定の重要文化財である。屋内も見学できる。裏手にある馬屋など生活にまつわる建物も残る。
園の最も高い場所に建つのは旧三菱第2ドックハウスだ。長崎の港を一望できる。園の第1ゲートから入場し歩く歩道をそのまま進んでいくと、はじめに目にする建物だ。
園の中ほどに建つのが旧ウォーカー邸だ。コンパクトな建物で、和風の庇が用いられている。洋と和が巧みに組み合わされた建築を見ることができる。
三方にベランダを設けた建物は旧リンガー邸で、国の重要文化財に指定されている。裏地には赤レンガ造りの建物がある。厨房と思われる。ベランダからは行き交う船の姿を眺めることができる。
近づくとその大きさに驚くのが、旧オルト住宅だ。国の重要文化財に指定されている。三方に石敷きのベランダが配置されている。奥にはレンガ造りの厨房棟があり、屋内に立ち入ることができる。趣のあるレンガ造りだ。
旧オルト住宅玄関の敷地奥に建つのが旧スチイル記念学校だ。塔のようにも見える入口の造形が印象に残る。1階は観覧できる。
東山手にはオランダ坂、7棟の洋風住宅と活水女子大などの建物、レンガ塀などが趣を保ちながら、観光客の視線を受け止めている。
7棟の洋風住宅群は一部入場料が必要だが、水色に彩られた建物群は開港の頃に思いをはせるには十分の風情を提供してくれる。
7棟の住宅の間は歩いて散策するに適し、カフェもある。
オランダ坂は勾配がきついため、息を切らしながら散策する人も多い。車も行き交うため、交通安全にも留意したい。雨の日なら、足元に十分注意することが肝要だろう。
中華街、出島にも近い東山手、南山手は、観光客を飽きさせない。有料駐車場をうまく使い、のんびり散策したい。
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東山手住宅群・南山手住宅群
長崎県長崎市東山手・南山手
グラバー園入場料:610円
国指定重要文化財:旧グラバー住宅 旧リンガー住宅 旧オルト住宅
古写真資料館入場料:200円
撮影:2014/10/20