JR唐津線厳木駅。「きゅうらぎ」と読む。昭和初期に建てられた木造の駅舎、無人駅だ。電化されていないため、走る列車はヂィーゼルカーだ。
改札を抜けホームに立つと、向かいホームの側にくすんだ赤レンガの構造物が立つ。線路を跨ぐ階段とほぼ同じ高さだ。
8角形の上部には鉄製と思われる蓋をともなった筒状の物が載っている。給水塔ではないかと推測した。唐津線利活用・電化促進期成会のサイトによると推測は当たっているようだ。
蒸気機関車が走っていた頃、ボイラーには常に水を必要としたため、駅には給水塔が設けられていたそうだ。蒸気機関車が姿を消した後、無用となった給水塔は解体されたらしい。厳木駅の給水塔も今となっては無用であるが残されている。ひどく朽ちることもなく残っている。
内部を覗くことができる。中央に鉄のパイプが立ち、天井までつながっている。色は褪めているが、レンガは崩壊することなく原形をとどめているようだ。
傍らには、記念碑がある。刻まれた歴史からは、石炭、みかんの輸送で賑わったことが伺える。長い年月と時代の求めは、駅の姿にも映し出されているようだ。
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JR唐津線厳木駅機関車給水柱(立管式B型)
佐賀県唐津市厳木町厳木
唐津線利活用・電化促進期成会HP
竣工:1899
見学自由
撮影:2014/11/17