阿蘇外輪山の水が流れ込む白川の左岸に沿い田畑が並ぶ。大津町外牧だ。
静かな集落を抜け杉木立の間に続く未舗装の細い道を進む。やがて突然、赤煉瓦の建物に出会う。白川発電所だ。国道57号、県道174号などから建物の存在を知ることはできない。
辿りついた発電所は、白川の岸辺に位置していた。木立に囲まれ澄んだ空気に包まれている。思いのほか大きい建物だ。フェンスで守られているため、建物の近くに行くことはできない。
所有している会社のサイトによれば、1914年に完成していることから既に100年の歳月を重ねていることになる。しかし、煉瓦の痛みは進んでいないように見える。美しいとさえ言える。もっとも特徴的なのは妻壁上部に設けられた丸窓だ。三角形を上下に配した意匠の骨組みがガラスを支えている。
現在も稼働中の水力発電所で、最大出力は9000kwである。2014年7月25日付けJNCサイトのニュース及び2014年8月の新聞報道によれば、大規模改修に着手、水車や発電機を一新し最大出力を9300kwに向上させるとのことである。2018年12月の完成を目指しているようだ。赤レンガの建屋はそのままらしい。
フェンスの手前には石造りの小さな建物、フェンス内部には事務所のような小さな建物がある。どちらも関連施設のようだ。
立野駅付近の道から白川発電所を臨むと、導水管を見ることができる。導かれる水は南阿蘇村栃木付近の白川で取水されている。国土地理院の地形図に水路が破線で示されていることから、トンネルにより導水されていると思われる。
□
白川発電所(JNC株式会社所有)
熊本県大津町外牧北向谷
竣工:1914/11
フェンス外から見学可能
撮影:2014/11/22