旧西日本鉄道筑紫駅待合所

西鉄筑紫駅の西側一体は開発が進められているようで、筑紫コミュニティセンターも最近建替えられたようだ。
そんなコミュニティセンターの側、更地となりつつある場所の一角にコンパネで三方を覆い屋根に守られた小さな建物がある。




旧筑紫駅待合所だ。木造の待合所は工事の影響から身を守るため、養生されているようだ。
待合所には千羽鶴が下げられている。それはこの待合所の謂れによるものだろう。




昭和20年8月8日、筑紫駅付近で西日本鉄道の電車が米軍の機銃掃射を受け、上り列車8名、下り列車56名の死者、100名余りの負傷者を出した。筑紫駅の待合所も爆撃にさらされた。




待合所の天井に目を向けると、弾痕の跡を2箇所見ることができる。赤い矢印が示している。年月の経過とともに戦争の悲劇は忘れ去られ、戦争が正当化されるときが来るかもしれない。弾痕は戦争という過ちを二度と起こさないよう懇願しているのかもしれない。



待合所の傍らに説明書のパネルが置かれている。どうやら取り外されているようだ。待合所の行く末が気になった。


旧西日本鉄道筑紫駅待合所
福岡県筑紫野市筑紫
竣工:昭和初期
見学自由(撮影時は周辺工事中)
撮影:2014/11/2