旧二十三銀行本店

完成した駅ビルから北へ走る中央通りを少し進むと、商業ビルの間で鮮やかな赤い色合いを保つレンガ造りの建物を見ることができる。赤レンガ館と名付けられた建物は、地銀の業務に使用されている。現役だ。




花崗岩が窓の枠や壁の腰に使用された意匠、東京駅などの設計で知られる辰野金吾による作品だ。



正面から眺めてみると、オリエンタルな印象を覚えるドーム型の屋根が大きなアクセントを演じている。屋根には明かり取りと思われる円筒の構造物が三つ並ぶ。奇抜な印象を受ける。
玄関上部には菊を題材としたと思われる半円形の飾りが、来客する者を謹んで迎える。




建物は周囲を一周することが可能だ。南側面、北側面とも、正面と同様に縦長の窓が1階部分と2階部分に配置され、1階の窓の上部に丸窓が設けられている。窓の飾りなど随所に「円」あるいは「丸」をイメージしたデザインが施されているように見える。





真新しい駅ビルが町を変えようとしても、100歳を越えた赤レンガの建物は時間の経過に翻弄されない威厳とモダンを放っている。


旧二十三銀行本店(現:大分銀行マネープラザ 赤レンガ館)
大分市府内町2丁目2番1号
大分銀行HP
竣工:1913.4(説明文による)
設計者:辰野金吾
再建:1949.4
外観見学可
撮影:2015/5/23