山鹿市から菊池市へ向かう国道325号沿いに「水辺プラザかもと」がある。宿泊所、温泉などを備えたローカルレジャー施設だ。国道を挟んだ南側には遊具を備えた小さな公園が整備されている。
公園内には上内田川から水が引き込まれている。その小川に鉄の橋が架かる。
わずか22mほどの鉄の橋だ。側には説明板が立てられている。
橋は九州で初めて架けられた鉄橋で、九州鉄道の千歳川(現:筑後川)鉄橋として誕生した。その後譲渡され、山鹿から植木までを連絡していた鹿本鉄道の鉄橋として菊池川に架かっていた。鉄道廃止後は4連のトラスト橋の一部が宮原駅跡で保存されていたようだ。現在地に移されたのは2002年で、当時の所有者が鹿本町に譲渡したことによる。
橋は遊歩道の一部として機能し渡ることも触ることもできるが、風雨に晒され躯体には錆が出ている。
すでに100年を超える時を刻んだ鉄道鉄橋、明治、大正、昭和と近代九州の産業振興に寄与したであろうことを思うと、ねぎらいの言葉が浮かんでくる。
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旧鹿本鉄道 菊池川鉄橋
山鹿市鹿本町梶屋(水辺プラザかもと近接)
竣工:1890.3(九州鉄道)
移設:1921(鹿本鉄道菊池川橋梁)
製造:独国ドルトムント・ウニオン社製ポニープラットトラス
見学自由
撮影:2015.5.27