河内貯水池の堰堤から県道62号を湖面沿いに進んでいくと、赤い橋と出会う。
車は規制され、人と自転車は通行が許されている。交通の目的は乏しく池を散策する人たちのために提供されているようだ。
特徴はトラスの形にある。細長い目を二つ並べたようなデザインは、趣があり柔らかい印象を受ける。レンティキュラートラスと呼ばれる形状の橋は、日本での施工例は僅かと伝えられている。2001年の塗装から時間が経過しているためか色は褪せている。しかし、湖面に架かる橋の姿は優美で美しい。
橋は中ほどで二つに分かれ、橋台は整然と積まれた石が表面を覆う。車両等が通過しないため、過度の加重を心配する必要もない。古い写真にはこの橋を通過する車両が写っていた。
両岸の上部には銘板が取り付けられ、大正15年11月と刻まれている。河内貯水池竣工の数か月前に完成している。
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河内貯水池・南河内橋
北九州市八幡東区河内3丁目
一般社団法人建設コンサルタンツ協会HP
完成:1926/11(竣工:1927/3)
国指定重要文化財
現役の自転車・人道橋
撮影:2015/6/21