国道198号門司港駅入口交差点に面し、深い傾斜角を有する切妻屋根の建物がある。2階建てで、1階にはレストラン、2階にはアインシュタインに関する展示物が並べられているようだ。
極めて上品な印象を受ける。奥ゆかしい色合い、形、植栽がその要因かもしれない。見つめていると、深い色調の壁と茶褐色の柱に惹きつけられる。
2階部分には出窓ならぬ、出っ張りが複数ある。凹凸が壁に変化を与え、柱がシンプルな模様を創り出しているようだ。
北側面に目を向けると一部だけ屋根の形状が異なる。切妻屋根が寄棟に形状を変え軒先が不思議な出っ張りを見せている。その役割、意味合いは不明だ。
建物は東へ2kmほど離れた門司区谷から1995年に移築されたらしい。このとき既に国の重要文化財に指定されていた。門司区谷は海からは離れ、現在は戸建住宅が並ぶ高台である。
移築前の姿や周辺の趣はどのようであっただろうか。過ぎた時をゆり戻すことはできないが、設計者が描いた竣工当時の姿を風景とともに見てみたい気がした。
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旧門司三井倶楽部
北九州市門司区港町7-1
三井倶楽部HP
国指定重要文化財
竣工:1921
設計:松田昌平
移築:1990/2
入場:100円(1階部無料)
開館時間:9:00~17:00
撮影:2015/6/21