韮山反射炉

伊豆半島の付け根、国道136号から県道132号に折れ、伊豆箱根鉄道の踏切を渡りしばらく進むと案内板が誘導してくれる。周辺は水田と民家が点在する風景が続く。

駐車場が整備されて、辺りには地ビールレストラン、カフェなどが客を待つ。反射炉を見学するには観覧料を支払うことになる。無論、周辺から眺めることはできる。




受付でA4サイズのパンフレットをもらった。「何故反射炉と呼ばれるのか」「築造の歴史的背景」など説明文と図が描かれている。韮山反射炉の歴史年表も掲載されていて、気になる記述を見つけた。「1855年8月 江川英敏、幕府を通じて佐賀藩の協力を要請」、「1857年2月5日 佐賀藩から杉谷雍助、田代孫三郎ら技師及び職人到着」とある。江戸時代、遥か離れた静岡県伊豆において九州の佐賀藩が重要な役割を果たしていたことに驚いた。

反射炉は4炉を有する連双2基という構造らしい。炉本体は外部が石組構造で、内部は耐火煉瓦アーチ積である。煙突部は煉瓦組構造で竣工時は漆喰塗りだったようだ。今見る姿は鉄骨で補強され、竣工当時の姿は想像するほかない。明治初期にはすでに鉄材で補強されたそうで、その後も数次にわたり鉄材等での補修がなされている。




説明版によれば、西欧において反射炉が鉄の製造に用いられた期間は短いとのことで、竣工当時の姿をほぼ完全に残す韮山の反射炉は貴重な遺産とのことだ。



反射炉周辺にはガイドの方が数人いて見学者に説明をしていた。


韮山反射炉
静岡県伊豆の国市中字鳴滝入268
055(949)3450
竣工:1857年
国指定史跡
観覧料:300円
9:00~16:30
休:12/31、1/1
2016/8/1