JR鳥栖駅駅舎から自由通路を利用して駅の東側に向かう。東エリアはサンメッセ鳥栖を中心に公園が整備されている。
自由通路東側の階段脇に目を向けると、柵で囲まれた中に蒸気機関車が静態保存されている。説明板には268号機関車と表示されている。
見た瞬間、外国製ではないかとの印象を受けた。小ぶりな作りであること、運転台を囲むキャビンに円形の窓が設けられていることが理由だ。
説明版の文字を追うと、イギリス製の蒸気機関車を日本での使用条件に適合するよう改良し設計したとある。イギリス生まれ日本育ちの蒸気機関車だ。製造は日本の民間工場が担っている。現・川崎重工である。
268号機関車は1905年に製造された。鳥栖駅には1935年代にやってきたらしい。主に駅構内での入れ替え作業などで活躍した。
現在は頑丈な柵で囲まれ屋根が施された環境の中にある。運転席に上ることはもとより、触れることもできない。柵越しに眺めることで100年以上昔の鳥栖駅を想像する。
268号機関車が走っていた頃、人とモノが交差する鳥栖駅という地勢は今以上に重要だったのかもしれない。
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268号機関車(鳥栖駅東広場)
佐賀県鳥栖市京町709
鳥栖市生涯学習課文化財係HP
現・川崎重工製
製造:1905年
静態保存
見学無料
撮影:2017/9/18