島原城の周囲には学校、住宅、公共施設などが建ち並び、整備された町並みがよそ者を穏やかに迎える。散策が似合う風情だ。
城の堀沿いを巡る道から案内板に従い島原駅方向へ下りはじめる。ほどなく右手に水色に塗られた建物が目に入る。下見板張りで外装をまとった姿は日本住宅にはない華やかさがある。現在はカフェとして活用されている。
玄関上部には飾りが施され、大正モダンの風が島原にも届いたことがうかがえる。窓は上下させて開閉する方式で現代では見ることのない機能とデザインだ。見た限りにおいて窓も玄関の扉も木製が維持されている。
建物の歴史は工房モモのサイトで知ることができる。建物の名前が示すように理髪店として活躍したようだ。一旦は解体の危機に直面したが、地域の保存活動によって今日を迎えているらしい。
訪れた日カフェはたまたま休み、館内を見学することはできなかった。機会を作り館内の風情にも触れてみたい。
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青い理髪舘
長崎県島原市上の町888-2
竣工:1923年(島原市HP)
見学:外観は可能
現在カフェ(工房モモ)として営業中
登録有形文化財
撮影:2017/10/31