南阿蘇村立野、深く削られた白川に架けられた赤い鉄骨の橋梁はその姿を晴天の下に留めている。道路橋長陽橋梁の傍らで、列車の往来する時を待っているようにも映る。
立野周辺のいたる場所では復旧工事が進む。JRと南阿蘇鉄道が乗り入れる立野駅ではJR側のホームが完工していた。南阿蘇鉄道のホームは地震以前の佇まいが残っていた。高森へ延びる線路は草が茂り、立野橋梁手前では線路が草に隠れていた。
南阿蘇鉄道の全線開通の見通しは立っていない。白川第一橋梁、立野橋梁とも姿は残しているが、細部においては被害があるようだ。トンネル内壁の損壊、レールの流出など途方もない時間と費用が復旧の課題としてのしかかる。
しかし、関係者の努力は重ねられている。一瞬たりとも無駄な時間はない。いつか必ず復旧することを信じて待ちたい。
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南阿蘇鉄道第一白川橋梁
阿蘇郡南阿蘇村立野
一般社団法人九州地域づくり協会HP
竣工:1928
見学:阿蘇長陽橋梁から可能
撮影:2018/6/2