旧埼水門(移築)

大分県と熊本県から福岡県、佐賀県を経由し有明海に注ぐ筑後川の河口付近に設置されていた樋門の一部が改修を期に移転され、公園内に保存されている。


旧埼水門は1901年、田手川が筑後川と合流する千代田町黒津と久留米市城島町浮島の地先に設けられ、有明海の干満の影響を防止することを目的とした。レンガと石材ブロックで築造、木製の観音開扉の扉が2つ設けられていた。

1950年にはコンクリートブロック造の1門が追加設置されたがその後、老朽化のために役割を終えた。1981年、現在地に移転され保存されるに至る(現地説明板)。


公園は田手川の左岸に位置し、自由に遊べる広場と桜やつつじが植栽されたエリアで構成されている。駐車台数30台弱、面積2000㎡ほどのコンパクトな公園だ。埼水門は公園の南エリアに設置され、木々の中にひっそりと佇む。天板に上ることができるよう階段が設置されている。


特徴ともいえる赤レンガと黒い石材ブロックのコントラストと造形には一見の価値を見出す。レンガは長手積みと思われる。水門が求める強度を想像すると稼働当時の積み方も長手積だったのか、疑問は残った。


公園は整備され、つつじが満開を過ぎたばかりの花を咲かせていた。桜は新緑を満たしていた。満開のころは賑わっていたかもしれない。

旧埼水門(きゅうさきすいもん)
佐賀県神埼市千代田町渡瀬1606(次郎の森公園)
竣工:1901年12月20日
設計:原 静雄
見学無料
駐車場あり(無料)
撮影:2023/5/5