那珂川の左岸、天神中央公園の東隣り、西中洲の地に洋風の建物がある。重要文化財に指定されている。旧福岡県公会堂貴賓館である。
鶯色を基調とした色使いに清楚な印象を受ける。木造2階建てで、玄関左手に位置する八角形の塔が特徴的だ。外壁に施されたデザインは彫刻のようにも見え、西洋文化への寄り添いが伺われる。館内は白壁と木調色で統一され、階段や鴨居など木の部分には彫刻が施されている。
八角形の塔の1階部分は食堂で、淡い若草色のカーテンが窓を飾る。2階部分は貴賓室で、エンジ色のカーテンがかかる。貴賓室の上部には円形の窓が5つ設けられ、北東からの陽光を招き入れる。各部屋には暖炉が設けられている。燃料はガスが用いられたようだが確証はない。
館内では軽食がいただける。レトロ衣装を試着するサービス(有料)も提供されているようだ。観るだけではなく体験することもできる。
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旧福岡県公会堂貴賓館
福岡県福岡市中央区西中洲6-29
092(751)4416
竣工:1910年3月5日
設計:三條栄三郎(福岡県土木部技師)
重要文化財(1984年指定)
見学:200円(65歳以上無料)
時間:9:00~18:00
休:月曜日
駐車場なし
撮影:2024/5/11